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ベトナムのスタートアップ界隈で気になったことを紹介していきます

ベトナムの離職率の高さは逆にチャンス

ベトナム離職率が高いと言われ、多くの人事担当者は悩みの種として語られている。

確かに20代の転職率は日本と比べて1.8倍なんてデータもあり、データ自体には肌感覚としてもあまり違和感はない。転職を繰り返すことで給与を上げている人も多々見受けられる。

 

しかし、その原因を国民性に帰着する人が多いのだが、これは間違いである。
これは入社システムと受け皿の問題だ。新卒から育て上げる環境作りにコミットすれば、他社の環境が稚拙すぎて転職する気がなくなる。

 

つまり、離職率の高さと言う一見ネガティブな環境は、考え方によっては人材獲得競争上有利に働くのだ。

 

離職率の高さを理由にしている間は、自分達の会社の組織運営能力の低さをアピールしているようなものなので、恥ずかしいと思ったほうが良いのではないか。

 

「時間がないから、、、」と言い訳じみた言葉を残す人も多いが、昔から企業は人なりと言う通り、人に時間がかけないで何にかけるのかという話しだ。

 

さらに言えば、ベトナムにある大半の日系企業は支社であり、製造拠点や開発拠点だ。
何か新しいプロダクトを作るというよりも、いかに組織を効率的に回すのかがその拠点のミッションとなる。

 

また、そのような環境を作るノウハウがないというのも理由の一つとしてあげられることが多いが、それも単なる怠惰に過ぎないのではないか。

 

人が企業に求める要素は濃淡はあれど、どの国もたいして変わらない。
小難しいメソッドをこねくり回す必要性もないし、組織コンサルを雇う必要性もない。トライアンドエラーしながら自社に一番フィットするものだけやり抜けば良いだけだ。試行回数とやり抜く力だけあれば誰でもできる。

 

多くの経営者はその苦労をアピールするために、組織コンサル系の会社は自社の利益のために、いわばポジショントーク的にその難易度を説くが、差し引いて聞いたほうが良い。

 

転職支援会社は流動性の高さを好意的に捉えがちだが、中長期的に考えれば健全なキャリア形成の先にしか健全なマーケットは存在しない。
その市場の中でビジネスをする以上、高い視座を持たない限りは求職者からも企業からも選ばれる存在にはなれずに淘汰されていくだろう。

 

何よりも、減点方式で互いに縛り合いながら組織を作るよりも、他社の環境が稚拙すぎて転職する気がなくなるくらいの組織を作るってことのほうがロマンがあって良いよねということだ。